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外国人向けにストック・オプションを発行する際のポイント(2021年8月31日号)

Topic. ► 外国人向けにストック・オプションを発行する際のポイント


 
外国人向けにストック・オプションを発行する際の手続きに関する問い合わせが多くなっています。外国人向けのスタートアップビザの制度が整備されるなど行政の後押しもあり、日本国内のスタートアップの役職員として外国人が参画するケースが増えているようです。
本稿では、弊社が過去に対応してきた事例を基に、外国人へのストック・オプション発行時の留意点を整理してそのポイントをお伝えします。

 

発行手続きは対象者が日本人でも外国人でも同様

日本法人がストック・オプションを発行するには、会社法上、株主総会や取締役会における決議等の手続きが必要ですが、対象者が日本人であっても外国人であってもその手続きが変わることはありません。
ただし、ストック・オプションの発行は登記手続きを伴うものですので、登記申請する際の必要書類は原則として日本語で作成する必要があります。

 

日本に居住する外国人向けにストック・オプションを発行する際の留意点

ⅰ. ストック・オプション取得者の課税関係
ストック・オプションの取得者が日本に居住している場合には、ストック・オプション取得時、保有時、権利行使時、取得した株式の売却時においての課税関係が所得税法や租税特別措置法によって規定されています。
また、ストック・オプション取得時には日本に居住していたものの、権利行使時や取得株式の売却時において日本に居住していない場合、移転先の国・地域の税制や日本と居住地国との租税条約に留意しなければならない場合があります。例えば、社員A氏が日本の本社に勤務していた際にストック・オプションを取得し、2年後に国外に異動した後に権利行使をしたケースです。この場合、A氏が居住する国での居住地国課税と、A氏の報酬の源泉である日本における課税の二重課税が発生する可能性があります。
さらに、報酬である無償のストック・オプションと、有価証券への投資と整理される有償ストック・オプションでは課税の考え方が異なりますので、ストック・オプション取得者が権利行使時等のタイミングで国外へ異動することが想定される場合は、事前に現地での課税関係を確認した上で設計をすることが必要です。

 

ⅱ. 税制適格ストック・オプションの適格要件に関する留意点
税制適格ストック・オプションの適格要件の中には、”権利行使して取得した株式を日本の証券会社等に保管委託されること”、という要件があります。
しかし、現在、日本国内の証券会社においては非居住者の証券口座の開設を取り扱っていないことも多くあります。そのため、権利行使して取得した株式を日本の証券会社等に保管委託することができず、適格要件を満たせなくなってしまいます。証券会社によっては状況に応じて対応している場合もありますので、事前に相談しておくことが肝要です。

 

日本国外に居住する外国人向けにストック・オプションを発行する際の留意点

上記課税関係の他、以下の点にも留意する必要があります。
 
ⅰ. ストック・オプションの取得の制限
発行されたストック・オプションを対象者が取得できるかどうかは対象者の居住国による制限がある場合があります。ストック・オプションは新株予約権という有価証券の一種ですので、対象者が居住する国や地域によっては国外への投資、資金移動が制限されている場合があり、当該国や地域の監督当局への事前申請や登録が必要な場合があります。例えば、中国に居住する日本法人の役員が当該日本法人のストック・オプションを取得する際に、事前の届出が必要なケースがあります。
 
ⅱ. 金融商品取引に係る規制
ストック・オプションの取得者が非居住者である場合には、居住国の金融商品取引に係る規制にも注意が必要です。例えば、日本において外国株式の募集、勧誘行為を行う際には、金融商品取引法の遵守が求められます。
同様に、日本法人によるストック・オプションの発行に際しては、取得者の居住国における金融商品取引に係る規制の対象となるかどうか確認を要する場合があります。

 

株主に外国法人が含まれる場合

直近は、外国法人による日本法人への出資事例も増えています。外国法人の持分割合が多い場合には、日本法人でのストック・オプションの発行に関して、その外国法人が準拠する会計基準に則って連結会計処理の対象となる場合があります。
 

英語対応のご案内

外国人に対するストック・オプションの発行を検討する会社では経営陣が外国人であるケースがあるものの、その経営陣に税務、会計、法律など多岐にわたる論点を英語で説明できるアドバイザーは多くありません。
プルータスでは、英語での株式価値算定書、ストック・オプション評価報告書の作成はもちろん、税務、会計、法律の論点にも各専門家と連携し英語で対応させて頂くことが可能です。お気軽にお問合せください。

 

 

執筆者紹介


林 将大 < コンサルティング部 コンサルタント >
大学卒業後、野村證券、香港の金融機関にて幅広い金融業務に従事した後、Fintechスタートアップへの経営参画を経て現職。スタートアップから上場企業まで幅広いフェイズの資本政策を支援。 慶應義塾大学経済学部卒、北京語言大学中国語課程修了


株式会社プルータス・コンサルティング 広報担当

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