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123

2020年の新規上場企業におけるストック・オプションの事例調査(2021年5月31日号)

Topic. ► 2020年の新規上場企業におけるストック・オプションの事例調査


 

今回は、主に2020年に上場した企業を対象に、新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)に記載された新株予約権等の内容を確認し、新規上場企業におけるストック・オプションの利用状況を調査しました。
尚、2020年の東京証券取引所における新規上場社数は94社※1であり、新型コロナウィルスの感染拡大の影響にも関わらず、前年比9社増となりました。
 

〇ストック・オプション制度の利用状況
直近5年間の新規上場企業における、ストック・オプション制度の利用状況をまとめました。2020年の東京証券取引所における新規上場社数94社のうち、88%の83社が利用しています。

 
尚、東証上場企業全体でのストック・オプション制度の利用割合は31.7%(2020年)※2ですので、新規上場企業が人材採用等にストック・オプション制度を積極的に活用していると考えられます。
 
 
〇新株予約権を使ったインセンティブ・プランの発行形態
直近2年間の新規上場企業が利用した新株予約権を使ったインセンティブ・プランの発行形態をまとめました※3。インセンティブ・プランの目的や企業と付与対象者の状況に応じて、適切な発行形態が比較検討された結果、複数の発行形態を併用していることがわかります。

 
 
〇潜在株式比率
直近5年間の新規上場企業における潜在株式比率※4をまとめました。上場後の希薄化を抑えるため、上場時の潜在株式比率は10%(~15%)程度を目途に制度設計することが一般的ですが、それ以上の割合での潜在株式発行・ストック・オプションの活用事例があることがわかります。

 
 
〇補足説明
➀ 時価発行新株予約権(有償ストック・オプション)
時価発行新株予約権は、付与対象者が会社の発行する新株予約権を公正価値で引受け、新株予約権に設定された一定の条件(株価条件・業績条件など)が達成された場合にのみ、権利行使をして株式を取得することができるスキームです。
税務面では、当初に新株予約権の時価相当の金銭を払い込むことから、有価証券の時価取得として扱われるものとされています。
尚、報酬としてではなく、付与対象者自らの投資判断の下で新株予約権を取得するものとなりますので、権利行使条件が満たされなかった場合には、付与対象者は払い込んだ新株予約権の時価相当の金銭が損失となる点には留意が必要です。
 
➁ 時価発行新株予約権信託®(信託型ストック・オプション)
時価発行新株予約権信託®は、あらかじめ時価発行新株予約権を信託に対して発行し、信託に設定されたなんらかの条件が満たされた場合に、時価発行新株予約権の分配が行うことで、ストック・オプションの付与対象者と付与個数を事後的に決定することができるスキームです。
入社タイミングによらず権利行使価額などの諸条件が同一の新株予約権を制度参加者に公平に付与できる点や、企業の成長に沿ってストック・オプションを何度も発行する手間が省ける点などの利点があるため、非上場企業を中心に導入事例が増加しています。
信託に保存されたストック・オプションは、企業への将来の貢献度合いに応じ、付与個数を事後的に決定することができるため、当初の想定と実際の貢献の度合いにギャップが生じた場合には付与しないことができるなど、ストック・オプションの付与を受けるべき対象者を厳選して公平な配分をすることが可能です。

 
 

 (※1)他取引所からの上場を行った2社を含み、テクニカル上場を行った5社、TOKYO PRO Marketへ上場した10社を含まない。
     また、他取引所へ上場した1社を含まない。以下、同様の方法で集計を行った。

 (※2)株式会社東京証券取引所「コーポレート・ガバナンス白書2021」による。
 (※3)有価証券報告書(Ⅰの部)から読み取れる情報に基づき集計を行った。
 (※4)発行済株式総数に対する新株予約権数の割合。これに対し、発行済株式総数と新株予約権数の合計に対する新株予約権数の割合を
     潜在株式比率とする場合も存在する。

 

執筆者紹介


江﨑 俊介 - コンサルティング部 コンサルタント –
京都大学大学院総合生存学館修士号取得。国家公務員(総合職)として内閣府へ入府し、経済財政政策の企画立案、総合調整関係業務に従事。プルータス・コンサルティングにおいては、資本政策アドバイザリー、有価証券設計・評価等、幅広い業務に関与している。


株式会社プルータス・コンサルティング 広報担当

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