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インセンティブプラン

業績連動型報酬としてのストック・オプション

I. 業績連動報酬が目指すべきもの

近年、我が国の上場企業においては、役員報酬に業績連動の要素を取り入れることにより、株主利益に配慮した報酬制度を導入する事例が散見されます。業績連動型報酬は、営業利益やROEなど株主が重視する経営指標(目標)に基づいて報酬の額が計算される仕組みになっているのが一般的です。特に、ここ数年は  報酬の一部をストック・オプション等の株式関連報酬として支給することで、  企業価値向上に向けた長期的なインセンティブが働くような制度設計が注目されています。

II. ISSのポリシー変更が示す業績連動型報酬制度の重要性

報酬額の算定根拠が株主の重視する指標に関連しているという点において、 業績連動型報酬は株主にとって受容されやすいものといえます。
業績連動型報酬制度が株主にとって受容しうるか否か考察する上で、大手議決権行使助言会社であるISS1)ISS(Institutional Shareholder Services)は、米国の議決権行使助言会社であり、株主の利害に影響を及ぼす会社の行動に関して毎年議決権行使ポリシーを公表し、世界中の機関投資家の議決権行使に多大な影響力を有しています。の公表する議決権行使ポリシーが参考になります。ISSは、日本企業の役員報酬の増額を求める株主総会議案について、業績連動型報酬の導入や増加を目的とする場合においては原則として賛成を推奨するという  新ポリシーを、2012年の議決権行使ガイドラインから公表しています。これは、株安・デフレ経済の状況でこれまで業績連動型報酬制度が有効に機能してこなかった日本企業に対し、これを活用した株主価値向上のための施策が重要であることを示す先進的なメッセージであるとも受け取ることができます。

III. ストック・オプションへの応用

我が国の上場企業において従来から採用されてきた株式報酬型ストック・オプションは、もともとは役員退職慰労金制度の代替手段として、固定報酬の一部を実質的に株式で支給するという思想の下で発展を遂げたものでした。
しかしながら近年では、単なる固定報酬の代替ではなく、売上高や営業利益、ROEなどの経営指標の達成度合いに応じて株式報酬型ストック・オプションが 付与される事例も出てきており、業績連動型報酬制度に長期インセンティブの 要素を組み込んだ形で、株主にコミットメントを示す事例も増えてきています 。
また、近時の事例においては、業績
や株価の目標達成等をストック・オプションの権利行使の条件として掲げる仕組み も新たに出てきています。このような 事例では、ストック・オプションを経営陣のみならず幹部社員層まで付与することで、ステークホルダーに対して将来的な業績や株価の目標達成に向けた全社的な取り組みを表明しようとする会社の姿勢を伺い取ることができます。
会社の経営戦略と報酬が同じ方向に向く業績連動型報酬制度は今後も一層普及が進んでいくと言われており、権利行使条件をカスタマイズすることにより様々なインセンティブ目的に対応しうるストック・オプションは制度設計にあたって有効な解決策を提供するものと期待されています。

以上

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1. ISS(Institutional Shareholder Services)は、米国の議決権行使助言会社であり、株主の利害に影響を及ぼす会社の行動に関して毎年議決権行使ポリシーを公表し、世界中の機関投資家の議決権行使に多大な影響力を有しています。

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