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インセンティブプラン

業績条件付き有償ストック・オプションが増加しているのはなぜ?

I.有償ストック・オプションの件数増加

昨年末以降、我が国の上場会社の株価は順調に上昇傾向にあり、2013年5月15日においても日経平均株価が15,000円代にまで回復し、半年前に比べて約55%もの上昇を記録している。そのような経済情勢の中、上場企業では、改めて株式によるインセンティブ・プランが見直されつつあり、中でも有償ストック・オプションを発行する企業が増えている。
全体の件数としては、有償ストック・オプション事例が見られるようになった2006年以降から数えて2013年5月15日現在で131件、このうち2013年1月以降は25件である(プルータス・コンサルティング調べ)。このように、昨年まで続いてきた有償ストック・オプション導入企業の増加が更に加速していることが伺える。

II.有償ストック・オプションとは?そのメリットとは?

有償ストック・オプションとは、その名のとおり付与対象者である役職員が金銭を払い込んで取得するものであり、最近の傾向としてストック・オプションの権利行使条件に業績目標を設定するものが多く、その名称も「業績目標コミットメント型」、「業績目標連動型」、「業績条件達成条件付」など多様化している。
通常、ストック・オプションを無償発行した場合には上場企業であれば発行した時点の株価の概ね数十%の費用計上が必要になるところ、有償にて発行することにより費用負担なくインセンティブ・プランを導入することが出来る。無償ストック・オプションのスキームでは、会計基準上、業績条件を価値に反映させない取り扱いになっていることから、設定したハードルに比して費用負担が重く、特に今般の株価が高騰している状態では費用計上額が大きくなりすぎてしまうという観点から、その利用が困難な状態であった。これに対し、有償発行の場合にはストック・オプション会計基準の対象外として、業績条件を価値に反映することができるという見解が一般的になってきている。これにより、従前の無償ストック・オプションに代えて、業績条件を付加した有償ストック・オプションへの制度変更・新規導入を検討している企業も多い。

III. 有償ストック・オプションの制度設計傾向と今後の展望は?

有償ストック・オプションのもう一つの特徴に、制度設計の自由度が挙げられる。付加条件の種類は数多く存在するが、中でも、発行企業の業績の向上を目標とした制度設計が極めて多くなっている。今年発行された有償ストック・オプションでは、その約9割に権利行使条件として予め設定した営業利益などの目標値を達成することが必要となる条件が設定されている。これは付与対象者の業績目標へのコミットメント・インセンティブとなるだけでなく、企業が業績目標の達成をコミットしたことをアピールする、IR効果も見込みことができる。
このような業績条件は、米国の議決権行使助言会社であるISSの公表する議決権行使方針とも合致しており 1)ISS(Institutional Shereholder Services Inc.)の公表する議決権行使ポリシーとストック・オプションの制度設計に関する分析に関しては、弊社ホワイトペーパー2013年3月号に詳しい記載がある http://www.plutuscon.jp/upload/report/20130315_43/20130315_43_plutus_report.pdf、経営者が自ら設定した業績目標達成へのコミットメントを強調したインセンティブ・プランとして市場に受け入れられていくものと考えられる。
個別の事例としては、ヤフー2) 2013年4月25日発表 付与対象者数4,198名、162,290株(公表時行使総額約81億円)やソフトバンク3) 2013年5月7日発表 付与対象者数18,597名、12,000,000株(公表時行使総額約570億円)など、付与対象者の人数・発行個数が多い大型事例も増えている。このように業績目標付きの有償ストック・オプションを幅広に付与対象者とすることにより、全社的に企業目標を共有し、その達成に向けて関する動機づけることができ、注目を集めている。

以 上

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References   [ + ]

1. ISS(Institutional Shereholder Services Inc.)の公表する議決権行使ポリシーとストック・オプションの制度設計に関する分析に関しては、弊社ホワイトペーパー2013年3月号に詳しい記載がある http://www.plutuscon.jp/upload/report/20130315_43/20130315_43_plutus_report.pdf
2. 2013年4月25日発表 付与対象者数4,198名、162,290株(公表時行使総額約81億円)
3. 2013年5月7日発表 付与対象者数18,597名、12,000,000株(公表時行使総額約570億円)

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